TURBO TURBO IIのかなめであるIHI製のターボチャージャ。
このターボを効かせての走行中、規定加給圧を超えた場合に「ガックン!」と、ビックリする位の衝撃を伴う車体が最近多く見られる様になって来ました。
これはターボチャージャのコントロール機能が万が一作動不良となった場合、加給圧が異常に上昇してエンジンが破損するのを防ぐ為、エンジン回転数2 500rpm以上のスロットル全開付近で加給圧が異常に上昇した場合に燃料カットを行う安全機構です。この安全機構が働く原因は複数考えられますが、この中でもポピュラーな原因としてタービンに付属するウェストゲートバルブ(規定加給圧を超えた場合、排気をエクゾーストに逃がす弁)が、固着して作動していないと言う事が上げられます。
そこで、固着したウェストゲートバルブに重点を絞り、タービンを車体から取り外す事なく固着を解消する治具を作ってみました。
ウェストゲートのクランクに差し込むソケット部と把手部の2ピースで出来ており、これらはボルト 2 本で固定されていますが、何故なら軽い固着の場合や作業に慣れた時は、ソケット部のみをミッション側から腕を入れてウェストゲートのクランクに掛けて作業を行い、また堅い固着や腕が届きにくい場合は把手を併用する事も出来る様にした為です。
なお把手下部に開けられた穴は、万が一トルクが掛けにくい場合に、ここにドライバーなどを突っ込んで回す為のものです。
画像は「ByeByeガッ君」のソケット部の構造です。ここを車体下部から差し込んで、ウェストゲートのクランクにはめ込みます。
矢印の位置がウェストゲートのクランクで、ここに「ByeByeガッ君」のソケット部をはめ込みます。
ソケット部がウェストゲートのクランクにはまったら、エンジン下部から見て時計回りにこじり回します。
CITY前輪側をジャッキで持ち上げ、リジッドラックを掛けます(ジャッキアップ・リジッドラックでの作業は慎重に!)。そして車体下部にもぐってエンジン後部にあるタービン位置を確認。矢印の位置がウェストゲートのクランクで、ここに「ByeByeガッ君」のソケット部をはめ込みます。
画像はウェストゲートのクランクに「ByeByeガッ君」が装着された状態です。
これでウェストゲートのクランクを回して固着を解消します。その後CITYをリジッドラックより降ろし、エンジンをかけ暖気後、周囲の安全を確認し全開加速をします。TURBOのブーストメーターが一杯になっても燃料カットが発生せず、ガックン!とならなければ作業完了です。
なお作業後も燃料カットが発生する場合は、他の原因が考えられます(現在研究中)。更に同様の治具を自作して作業される場合・またその為に部品を破損されても、わたしは責任を追いません。どうぞ自己責任にて。
また「ByeByeガッ君」についての御質問は、お気軽にbbsなどでお知らせください。