homeworkshop ⟩ コンプレッサーのシャフトシール交換・ケイヒン製編


report: osaeg1231 ⟩ 2008/01/04

2007年は猛暑でしたが、皆さんのシティのエアコンは効きましたでしょうか?

私は強い西日がフロントガラスから差し込む中、高速道路を走行していたところ、車内の温度計が48度(!)から始まり最終的には44度に落ち着いたので『エアコンは猛暑だから効きが悪いのかなぁ』と思って帰ってから調べてみると、電磁クラッチがONせずアイドルアップもしない。「ガス漏れかな?」とコンプレッサーのチェックジョイント(ガス注入口)を針で押してみると、ガスが全く漏れてこない!完全にガスが抜けていました。なんと地球環境に悪いことをしまったのでしょう・・・。

私の場合、数年前にエアコンのOリングをすべて交換しているのと、コンプレッサー下側に油分が付着していた事から、シャフトシールの劣化と判断して交換を決断しました。

※詳細はサービスマニュアルを参照してください。


01まず、車体よりコンプレッサーを取り出します。

配管にゴミが入らないようにラップ等でしっかり栓をしておきます。また、コンプレッサーを取り外した状態でも走行に支障がないように、コンプレッサーベルトをクランクシャフトプーリーから外して、干渉しないように処理しておきます。


02これからコンプレッサーを分解していきます。

まず、コンプレッサーからクランクシャフトフランジを取り外します。サービスマニュアルによると『コンプレッサ フランジ ホルダ』という専用工具を使うことになっているものの、持ってない為、写真のようにクラッチにある直径10mmの丸穴2箇所を利用して回り止めとし、フランジナットを緩めました。


03次に、クランクシャフトフランジを取り外します。

クランクシャフトフランジを取り外すは、『コンプレッサフランジプーラ』と言う専用工具を使う事になっていますが、ここも写真のような治具を用いてクランクシャフトフランジに開いているM6の穴にボルトをかけて引き抜きます。

※このねじ穴を用いてフランジナットを緩めようとすると、簡単にねじ穴が馬鹿になりますのでやめた方が良いです(私は失敗しました・・・)。


04サークリップを外してクラッチローターを外します。ここは市販のプーラを使いました。


05シャフトシールを交換するには、クラッチコイルを付けた状態でも良いのですが、念の為に外しておきました。外すにはトルクスの工具が必要になります。


06これからいよいよシャフトシールの交換になります。

まずはカバープレートを止めているサークリップを取り外します。それからシャフトについているスペシャルキーを外すのですが、新品のキーがシャフトシールに同梱されていますので、ニッパーでむしり取りました。この時、シャフトに傷を付けない様に注意します。

キーを外すとシムが出てきます。シムはコンプレッサーとクラッチにあった厚さのものが付いていますので、無くさないようにします。


07次にカバープレートを取り外します。

『エクスターナル スナップリング プライヤ』を用いる事になっていますが、持っていなかった為、写真のような工具でカバープレートを引き上げました。カバープレート外周のOリングがきつくはまっており、引き上げるのに苦労しましたので、出来れば指定の工具を準備される事をお勧めします。この時、シャフトと平行に引き上げる様に気を付けます。カバープレートを外すとシャフトシールが見えてきます。

なお、新品の『シャフトシールCOMP』にカバープレートが含まれない場合がありますので、その場合は再利用します。


08シャフトシールを外すには、写真のような『シャフト シール リムーバ』という専用工具を用います。(ogaさんに貸して頂きました。ありがとうございました)


09シャフトシールの切り欠き部に工具の爪をあわせて挿入します。このとき左右に工具を振りながら挿入し、シャフトシールに工具が当たった事を確認します。

奥まで挿入できたら押し込みながら反時計回りに回すと工具の爪がシャフトシールに引っかかります。そうしたら工具とシャフトシールを抜き取ります。

シャフトシール取り付け部はゴミが入らないように気を付けて汚れを取っておきます。


10新品のシャフトシール取り付けです。

シャフトシールを洗浄後、全面に冷凍機オイル『スニソ5GS』を塗ります。このオイルはフロンR12専用のコンプレッサーオイルです。また、シャフトにもオイルを塗っておきます。


11シャフトシールの平行部とシャフトの平行部を合わせて挿入します。シャフトの平行部は分かりづらいですが、キーの部分から左右90度のところが平行部になっています。


12シャフトシールを挿入したら、押し込みながら時計回りに回します。回すと若干シャフトシールが落ち込むところがありますので、そこで止めてシャフトシールリムーバを取り外します。

この時、シャフトシールがコンプレッサーの段付き部より0.5mmほど低くなっていればOKです。


13カバープレートのOリングにコンプレッサーオイルを塗って取り付けます。上下があるので気を付けてください。

シャフトシールセットにカバープレートが入っていない場合は、元の部品を組み付けます。カバープレートはシャフトシールリムーバの反対側で強く押し込みます。そしてサークリップを取り付けて完了です。後は逆の手順でクラッチコイル、クラッチローター、クランクシャフトフランジを取り付ければ完成です。


14車体にコンプレッサーを取り付ける前に、フロンガスが漏れるリスクを減らす為にエンジンルーム内のエアコン配管に付いているOリングをすべて交換しておきました。また、コンプレッサーから漏れたオイルを補う為、10ccほどコンプレッサーオイルを注入してから車体に取り付けました。

あとはガスをチャージして効くかどうか確認するだけです!


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