homeworkshop ⟩ TURBO用燃料ポンプ治具


report: 狸山ポン太 ⟩ 2012/03/29

01燃料ポンプです。ガソリンタンク内蔵ではなくタンクの外に設置されているタイプです。ターボ車用として使用されています。左後輪の前で車体底面の鉄板カバーに覆われた中にあります。

これが壊れると燃料がエンジンに供給されないのでエンジンが回りません。直前までエンジンが回っていたのに再起動時に燃料ポンプだけが動かない場合、配管中の圧力の残っているガソリンだけが供給されるので十数秒間だけエンジンが回って止まってしまいます。

ポンプの消耗なら接触不良系なので応急処置として鉄板カバーをはずしてこの燃料ポンプをガンガンたたくとしばらく使えます。でもあくまで応急処置なのでちゃんと動く燃料ポンプへの交換が必要です。交換は図中央の二面幅19ミリメートルのナットをつかんでネジ類を緩めます。


02ガソリンが直接通るところですから、漏れがあってはいけません。ネジ類はそれなりにしっかり閉まっています。したがって工具をちゃんとかけないと緩めることができません。そのために19ミリメートルのナットが生えていると思いきや、なんと一般的な工具が入りません。ナットの両側に配線を覆うゴムカバーが邪魔して、レンチがかからないのです。

以前に燃料ポンプの交換をプロの整備士さんに頼んだことがあるのですが、苦労の半分は「燃料ポンプをいかにしっかりつかむか」でした。破壊覚悟で工具でポンプ本体をガッチリつかむのも手ですが、取り外した不調のポンプに洗油を循環すると回復するとの情報もあり、できるだけ手荒なことはしたくありません。また、はずした後には新たなポンプをつけるのですから、ナットをつかんで作業ができるに越したことはありません。


03そこで、専用工具を作りました。

左側が一般的なオープンエンド、右側は削ったものです。万力で固定してグラインダーで削りました。なるべく削る量を少なくするため、垂直に削り落とすのではなく、ゴムカバーの形状に合わせて斜めに削っています。

工具を加工するのは、安全の観点からあまりほめられたものではないのですが、合わない工具を使うよりはマシと解釈しておきます。オリジナルの工具よりはかなり強度が落ちていて、アゴが開きやすいので他の用途には使用せず燃料ポンプ専用とします。また、怪我を防ぐため、「しなる」ような感触がしたときにはすぐに使用を中止しましょう。


04専用工具では19ミリメートルのナットをしっかりとつかむことができます。実車でも使ってみましたが、ナットの固着がなかったようで使うことができました。

今回は100均ものよりひとつランク上の工具を加工しました。強度が不足するようならより高いランクの工具を犠牲にすると望みがあるかもしれません。「自己責任」はお約束です。


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