homemodifyTURBO II ⟩ BULLDOG Racer No.08


report: にしな 山田ブル kazzee

01「当時、レースに参戦していた東北の自動車店も保管しているかも…」

過去に取材をした No.18号車の保管先よりブルドッグレーサー残存の示唆を受けた。直後よりその自動車店へ連絡したものの、従業員の方々は口を揃えて「社長が当時熱中していたが、詳しくは知らない」と教えてくれた。

多忙な社長となかなか連絡が取れずにいたが、その後、No.18号車の保管先を通じて「車両はまだある。遊びに来てくれ」との伝言を受けた。


02その自動車店の支店の廃車置き場の隅に、そのブルドッグレーサーNo.8号車は眠っていた。

長い間の風雪により腐食が進んでいるが、まぎれもなく当時、何度か入賞を果たした松田・中谷両選手が操縦した車両だ。


03この車両は、鈴鹿サーキットにて転倒2回、オーバーヒートを多数経験したにも関わらず、その後も最終戦まで2シーズン戦い抜いたマシンだ。

ボディの各所に補修された跡が残り、当時の過酷な状況を忍ばせる。


04No.18号車同様、元のボディは腐食が進んでいるが、FRP部品を多用しているのが幸いして、そのフォルムは崩れていない。

また同保管場所の店長さんによると、当時は金曜の夜に東北地方を出発して、積載車で三重県鈴鹿市へ向かい、翌土曜の予選・日曜の本戦と戦い、またそのまま同日に東北へ帰還するという超過密スケジュールでの参戦であったそうだ。社長と共にレースのメカニックとして参加した若い社員の方々も、今では各店舗の店長だ。


05同店の店長さんは置き場スペースの関係で、この車両を何度も廃棄しようと試みたそうだが、その都度社長の反対に遭い、今日に至ると話してくれた。しかしそう語る店長さんも、当時の話をとても力を込めて聞かせてくれた。

彼自身、徹夜で往復参戦をしたチームの一人である。


06その後、日を改めて社長と面会した。歳月が過ぎて完成した、忍NINくんのBULLDOG Racer Replicaを見てもらう為だ。

多忙な予定をさいて頂き、有志らに参戦時の楽しい思い出話を聞かせてくれた。既に70歳に近付く社長、未だレースを語る時の視線は鋭い。


07BULLDOG Racer Replicaや仲間達のCITYをにこやかに観覧する社長。

「ウチのブルドッグレーサーも、いつか綺麗にしてやりたいな」。そんな言葉が飛び出したりと、我々の訪問をとても喜んで下さり、ホっと胸をなで下ろした。


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