昔々、メカドックを見て車に興味を持った少年は、「いっつぁん」こと中村一路の駆るシティターボに心を奪われ、将来自分もシティに乗ると心に決めたのでした。しかし、中村一路のシティターボは当時のブルドッグレース用のエアロが装着されており、シティターボはこの形状であると心に刷り込まれた少年は、後に市販車はこのデザインでは無いと知ることになります。
刻は流れ、運転免許を取得したものの自分の車を買うことも無く、実家の車で過ごしていましたが、ある日、下取り車として入庫して1時間も経過していないシティターボ2と出会い、即決でこれを購入します。シティに乗り、時にいじくり倒し、クラブへ参加しシティライフは加速していきます。しかし、心の奥底では理想の姿に対する思いを忘れられないでいました。そんなある日、黒ブルドッカー忍NIN氏を筆頭にブルドッグレーサ-のレプリカ製作の道が拓かれ、数台が製作されることになりました。しかし当時の自身の環境では製作は難しく、実現にはもう数年を要することになるのでした。
6年の月日が経過し、いよいよブルドッグレーサ-レプリカの製作へと動き出すことになりますが、時間の経過は外装の型枠を劣化させ、歪みが酷くなり外装を生産する事ができなくなっていました。
個人で新たに型を起こす事は経済的な負荷が大きく、断念しかけましたが、時を同じくしてレプリカ化を考えていたHirohisa氏との出会いによって、実現に向けて大きく前進する事になります。
また、このタイミングで黒ブルドッカー忍NIN氏のブルドッグレーサ-レプリカが大規模修理中だった事で、氏の協力のもと、Hirohisa氏と2人で新規に型を起こして、それぞれの車を製作することができるようになりました。
2年後、ブルドッグレーサ-レプリカは完成し、遂に憧れた姿を得ることができました。
シティのモディファイはそれで終わるような事にはならず、現在はターボを装着したD15B型エンジンに換装し、ECUと点火・燃料系の最適化、追加補強と段階的に手を入れています。
昔々、メカドックを見た少年が理想を追求したシティは、現在もアップデートが実施され、未だ進化の過程にあります。